第23章 〜23〜
そして女中の仕事を優鞠に案内してもらいはじめた。
一言で女中と言っても、いくつか仕事がわかれていて、みんな忙しそうに、でも楽しんで仕事をしている雰囲気があって安心した。
「お針子に食事に洗濯場に掃除……あと買物……って所かな」
「お針子意外は基本週ごとに持ち回りなんだね」
「そう。お針子は仕事量が凄く多いの。この城に住む人が身に着ける着物はほとんど全てお針子の女中が作って直して……って感じだからね」
「この城に住む人全員……」
「そう。女中は自分で直したりするけど、家臣男の人達は部屋で縫い物なんてしないからね。」
「そりゃそうか……大変な仕事だね……」
「でもその分やりがいもあると思うよ?」
「うーん、悩むなー」
「縫い物はできるの?」
「多少……」
「まあ、嫌いじゃないなら。」
「優鞠はお針子じゃないんでしょ?」
「うん。でも手が空いた時はお針子の仕事も手伝うよ」
「ふぅん……」
「まあ、この後もまだ見て回るんだし、その後ゆっくり考えたら?」
「そうだね……」
女中の仕事を回り終えて、昼餉を食べ終わると、お針子の仕事を手伝いに行くという優鞠とそこで分かれて秀吉さんの御殿へと向かった。
(優鞠にも来て欲しかったなぁ)
仕事があるならしょうがないが、優鞠も午後も一緒にと誘うと優鞠に「身が持たないから遠慮しとく」と言われてしまった。
(まあ……気持ちも分からないでもないけどね……)