第23章 〜23〜
優鞠と2人向かい合って朝餉を食べていると、後から声をかけられた。
「様、おはようございます」
「あ、お珠さん!おはようございます」
「おはようございます」
「優鞠もおはよう。ふふ、2人はもう仲良しみたいね」
「はい。優鞠が良くしてくれて助かってます」
「優鞠は優しい子ですからね。様の専属女中に優鞠が選ばれて安心したわ。まだ若いけど、仕事はちゃんとこなせる子だから」
「……そんな……」
「ふふ、優鞠照れてる」
「だって……褒められるのに慣れてないんですもの……」
「ふふ。」
お珠さんと顔を見合わせて笑いあった。
「そうそう、様、ここでの生活は慣れてきましたか?」
「はい。皆さん良くしてくださるし、毎日楽しいです」
「それはよかったです」
「今日は色んな仕事を見せてもらおうと思ってて」
「あら、どうして?」
「私もこのお城で何か仕事をさせてもらいたくて」
「そんなことしなくても……」
「いえ、やりたいんです。ほんとの姫だって訳でもないし、遊んで暮らすのは性にあわないので……」
「そうでしたか。なにかやりたい仕事はあるんですか?」
「そうですねぇ……」
私が考えを募っていると、優鞠の背後から人が近づいてくるのが見えた。