第21章 〜21〜

「……ねぇ、政宗」

「ん？」

「私さ、未来から来たじゃない？」

「おう。それがどうした？」

「うん……それでね、私は……」

「なんだ？」

「(佐助くんの事は言わない方がいいよね)未来に帰れるとしても、帰らない事にしたの。」

「……は？」

「……だから、ずっと死ぬまで、この時代で生きてくことにしたんだけど……」

「…………」

「えっと……だめ……かな……」



黙り込んでしまった政宗に不安を感じてつい確認を取ってしまった。
誰に言われても戻る気は無いが、政宗に帰れと言われてしまったら……と、不安がふつふつと膨れ上がってきた。



「ま、政宗？聞いてる？」

「ああ、悪い。」

「ううん……」

「もう決めたのか。帰らないって。」

「うん。帰ったって待ってる人なんていないし、未練がある物も場所もない。それに、この時代に来てから毎日楽しいって言ったでしょ？だから、この時代で生きてこうって決めたの。」

「そうか……」

「うん。この時代でも、1人でちゃんと生きていけるようになろうと思って。まあ、だから何って話なんだけど……政宗にはちゃんと伝えておきたくて……」

「そうか……ありがとな、話してくれて」

「ううん、私が言っておきたかっただけだから」

「……じゃあ俺もお前に言いたいことがある。」

「ん？なに？」




私が首をかしげて政宗を見ると、真剣な顔で政宗が言った。