第21章 〜21〜
「わぁ……すごい人だね」
「ああ、賑わってるな」
「雰囲気はあんまり変わらないな……」
「お前の時代とか?」
「うん。出店が沢山出てて人が沢山いてみんな楽しそうで………」
「500年経っても変わらないものもあるんだな」
「ふふ、そうだね。」
出店の内容は違えど、雰囲気はまさに自分が知っているお祭りで見ているだけで楽しくなってきた。
「食べたいものあったら言えよ」
「あ、うん。ありがとう。」
いくつか気になる食べ物を政宗に買ってもらい、神社の奥の人気のない石垣に腰掛ける。
「疲れたか?」
「ちょっとね。でも楽しいよ」
「そうか」
「政宗」
「なんだ?」
「連れてきてくれてありがとう。今日1日すっごい楽しかった。」
「ふ、また連れてきてやる。」
「ほんと?」
「ああ、いつでも言えよ」
「うん……ありがとう」
私は出店で買ってもらった甘いお菓子を頬張りながら考えた。
(あ、そういえば未来に帰らないって政宗に言った方がいいかな……信長様にも伝えに行かなきゃ……でもまず政宗に言いたいな……)
だからにどうした?などと言われたらどうしようかと、不安に思いながらも決心して声をかける。