第17章 〜17〜
「……なにか失礼なこと言われた?あの時少しだけ会話してたよね」
「失礼なことっていうか、なんか不思議な人だなぁって……」
「んー、まぁ確かに変わった人である事は否定しない」
「あと、『また会うだろう』って言われたけどなんでかな」
「……謙信様の考えてる事をすべて理解することは俺でも難しいから……何故だろう」
「謙信様……?」
「ああ、俺の主は上杉謙信。」
「聞いたことある……」
「有名な戦国武将の1人だよ。」
佐助はそういうと誇らしげに少し微笑んだ。
「でも……上杉謙信って……織田軍の……」
「あぁ、敵だね」
「…………」
「今はお互い現状維持で相手の出方を見ている段階だけど、いずれ戦が起きる。」
「…………」
「まあ、君が織田信長を生かしたおかげで、歴史が大幅に変わる可能性もあるから、絶対にそうだとは言えないけど。」
「そっか……」
「安心して、君から得た情報を謙信様に言うことはしない。君とは敵同士であっても友達で居たいからね」
「うん。私も。」
「4年いて、俺と同じく未来から来たなんて人と会ったのは君が初めてなんだ」
「そうなの?」
「あぁ。良くあることでは無いらしい。」
「じゃあ……同じ時代に飛ばされた私達が会えてるって凄い可能性なんだね」
「そういう事になるね。運命的だ。」
「ふふ、そうだね」
同じ未来から来たのが彼で良かった、と私は心底そう思った。
確かにちょっと変わったところはあるみたいだが、頼りになりそうな事は確かだ。