第17章 〜17〜
「…………」
「どうかした?」
「佐助君……あのね」
「うん?」
「私も……現代に……戻るつもりないの」
「そう……どうしてか聞いてもいい?」
「うん。現代でね、私あんまり幸せな生活してなくて。ただ生きる為に働いて、家族も友達も居なくて毎日意味もなく生きてたの。でも、この時代に来ていろんな人と話して、今まで知らなかった世界で……不安もあるけど毎日が楽しいの。」
「俺が言うのもおかしいけど、本当にそれでいいの?」
「うん。未練はないの。残してきた人も居ないし。この時代の方が自分らしく生きていけるような気がしてるの。」
「そっか。もう決意は固いみたいだ」
「うん。」
「じゃあさっきの3ヶ月後の話は忘れて。でも、万が一気が変わったら教えてくれ。」
「多分それはないと思うけど。わかった。」
「まあ、一応ね」
佐助はそういうと、再び手を差し出した。
「じゃあ、改めて」
「?」
「元現代人として、これからよろしく」
「……ふふ、よろしくね、佐助君」
「ああ」
同じく未来から来たという佐助と話が出来て嬉しかった。
現代に戻ることが出来ることも知れた。
戻るつもりはさらさら無いが、私1人では得られなかったであろう情報を知れただけでもありがたい。