第23章 期間限定sharing.
こういう感じの時は、私の行動に呆れている時である。
大体の場合、やってはいけない事をしてしまっている。
それで、何が駄目だったか、普通ならどうするべきだったか、を説明してくれるのが黒尾さんだ。
「木兎達が出てくの淋しいからって、引き止めんのはダメだろ。
アイツ等の、新しい生活が始まる門出の日に、お前に淋しい思いさせるって負い目感じさせんなよ。」
私の手が、2人を引き止めようとしたのに気付いていたらしい。
それは、駄目な事。
説明されなくても、分かっていた。
淋しさに耐えられなかった私が悪い。
「笑って…いや、お前が笑顔作ると勘違いされるから、次の奴等が出てく時は普通の顔で‘また’って言ってやれよ。
…で、りらの淋しさは木葉に埋めて貰いナサイ。それ、彼氏の役目だろ?」
罪悪感に押し潰されそうになってきた時、続けられたのはトドメの言葉。
今現在でも辛いのに、もう次に人が出ていく時の事を考えさせられる。
淋しさを埋めてくれる役目の人からは、連絡すらない。
ちゃんと言えれば、現状の伝える事が出来れば、きっと力になってくれる。
でも、今回の件は、私だけが悪いとは限らないと思ってる。
連絡もなく、引っ越したりした事は、秋紀が責められるかもしれない。
それは、避けたくて答えられない。
「…りら?お前、なんか変じゃね?」
ただ、黒尾さんは人の気持ちに敏感な人で。
悩んではいても、口に出さないのには理由があると、気付かない訳がない。
「お前が話したくなったら、いつでも話せよ。ちゃんと聞いてやるから、な?」
それでいて、無理に聞き出す事もない気遣いが心地好かった。