第23章 期間限定sharing.
いや、私は自分が淋しかったから受け入れただけだ。
だって、考えてみたら2組とも、別にここで私と同居する必要なんか無かった。
だけど、私と少しの間でも一緒に暮らす事を選んでくれたのは、私の心情を読み取ってくれていたからなのかも知れないと思うと、断りきれなかった。
その、それぞれの事情とは、
妹夫婦の方は、赤葦さんが元から住んでいた所が単身者向けで、
壁も薄かったらしく、2人暮らしは早々にバレて、苦情が耐えなかったから引っ越しを考えている。
でも、普通なら引っ越し先が決まってから、家を出るのが一般的だと思うし。
木兎さん、かおるさんの方は、結婚して一緒に暮らす為にかおるさんの住居兼店舗を改築するかららしい。
こっちにしても、期間は決まっているのだからマンスリーなり探せば良い話だ。
特に、まだ婚約者の段階なら木兎さんは会社の寮がある筈なのに。
考えれば考える程に、私が気を遣われた気しかしない。
申し訳ない気持ちばかりが溜まっていくけど…
「りらちゃん、片付けしてたら腹減ったー!なんかない?」
主に、空気を読まなくて五月蝿い木兎さんのお陰で、考え込み過ぎずに済むような気がしてきた。