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【HQ】繋がる縁の円

第20章 やっぱり派手なのがお好き


‐かおるside‐

光太郎の事だから、そんな事だろうとは思っていたけど。
自分としては、かなり勇気を出した行動を取った訳で。
ちゃんと聞いてなかったにしても、いらないと拒否されたショックが大きい。

周りに気を遣わせたくないから、コテージに移動する車の中でも。
着いてからの、晩御飯の準備の最中も。
普段通りの振る舞いを、ちゃんとしているつもりだった。

それでも、気付いた奴はいるもので。

「この人数だと、ベッド足んないだろ?2階に布団敷くのかおるさん手伝って。」
「私が行く。」
「りらは、ここの片付け頼むわ。」

木葉が、私を指名してくる。
りらちゃんの申し出を断ってまでなのは、私がこの場に居たくないのを察しているから。
上手くいった婚約中の2組を見ているのが辛いと、分かってるから。

然り気無い理由を付けてくれたから、それに乗っかって席を立った。

「…有難う。」
「何が?俺が、アイツ等と一緒に居んの、キツかっただけだぞ。かおるさんなら、気持ち分かってくれるだろうし、な。」

階段を昇りながら、気遣いに感謝を述べる。
だけど、返ってきたのは、意味が分からない言葉。

「俺も、プロポーズ失敗したから。赤葦んトコとか、月島んトコ、見てんの嫌なんだよ。」

少しだけ振り返った木葉の横顔は、切なかった。
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