第19章 たまには女子だけで
なんか、ちょっと変な感じがする。
ここで、大切な家族みたいな人々と過ごすのは、私にとって幸せな時間の筈なのに…。
前なら居た筈の人が居なくて、前は居なかった筈の人が居る。
様々な所で、繋がって増えていく家族みたいな輪。
傍に居たいと思える人が、多くなるのは悪い事じゃないと思っている。
でも、この違和感に耐えられなくて。
「ごめんなさい。ちょっと、眠いので先に失礼しても宜しいでしょうか。」
この場から離れる事を選んだ。
「じゃ、木葉クンも一緒に戻れば?」
きとりちゃんが余計な事を言い出す。
しかも、何故か秋紀に向かってウィンクとかしてる。
木兎さんも、黒尾さんも、何処かニヤニヤしているような気がした。
今は、違和感の原因になっている‘前は居なかった筈の人’の秋紀と一緒には居たくない。
「や、俺はもうちょいココに居ます。…後で、部屋行っていいか?」
私の気持ちを汲んでくれたのか、秋紀はリビングに残ってくれるらしい。
少しだけでも一人になる時間をくれるなら、それで良かった。
後で来るのなら構わないから、頷いて返事を返す。
「では、お休みなさい。」
夜の別れの挨拶を残してリビングから出て、部屋に戻った。