第19章 たまには女子だけで
酔っ払ったみつは、私以上に羞恥心というものを失っている。
正直、赤葦さんが聞いていたら何をされるか分からないレベルの事まで暴露してきた。
「いや、もう、マジでいいから。朝まで何回とか、そんな情報欲しくない。」
「えー?自分トコの回数とか普通なのか気にならない?周りと比べたくなるものじゃない?」
「気にならないし、比べないから。」
「それ、りんさんトコが少ないから、負け惜しみだったり?」
りんさんが止めようと応戦してくれたけど、挑発されて。
眉間に皺を寄せていくのが見えた。
やっぱり、この2人は相性が悪い。
「みつ、その辺で。私だって聞きたくない。」
「姉ちゃんは、自分が普通か気にならない?」
「私は、異常。」
「自覚あるなら、普通ってどうなのか知りたくない?」
「一理ある。」
私が止めてしまおうとしたのだけど、あっさりと言いくるめられた。
再度、喋り始めようとみつが口を開いた時、誰かのスマホが鳴り始める。
それは、みつの物だったようで。
「あれ、京治だ。」
しかも、相手がタイミング良すぎる。
また盗聴していたのかと疑った。
だけど、きとりちゃんがやたらと慌てて、テーブルの下をチラチラ見ていて。
今回は、何かをしたのがこっちだと気付く。
そういえば、テーブルの下辺りで何かをしていたような。
それで、企みがあるような気がしていたんだった。
椅子から下りて、テーブルの裏側を調べる。
そこには、ガムテープで貼り付けられたタブレット。
そこから、コードが延びていて、きとりちゃんの席まで続いていた。