第19章 たまには女子だけで
‐木葉side‐
月島のイライラがマックスだ。
そろそろ、その話終わらせてくんねーと、キレてそっちに乗り込むぞ。
そう思っていても、向こうの会話を止める手立ては無く…。
『…それに、なんかタイミング逃すと呼び方って変えづらいから、多分月島くんの次は、アナタとか…かな。』
『その次はパパ、そのまた次はお父さん?1回くらいツッキーの名前呼べばいいのに。』
『私、アンタみたいに切り替え上手くないわよ。鉄朗の事だって、今更名字で呼べないし。』
『私の場合はケジメ付けたかったのよ。近付き過ぎずに家族ごっこを続けたかったから。』
『…いつまで、家族‘ごっこ’する気?』
『クロが結婚するまで。』
勝手に進んでいった会話は、黒尾にまでダメージを与え始めた。
月島ほど分かりやすくは無いが、パソコンを見る目が明らかにさっきと違っている。
どうにかして今だけは止めてやろうと、スマホを手に取った。
りらに電話して会話の中断を狙ったんだが…。
『りんちゃん。今はプライベートなのは認めるのよね?
だったら、私達の前だけでも彼氏を名前で呼んでみたらどう?ほら、女ばっかりの時くらい良いじゃない。』
そんなものは必要無かったようで。
女性陣の良心、かおるさんが人にダメージを与えまくる2人を止めた。