第10章 墓参りはプチ旅行
2つ敷いてあった布団は、その数の意味を成さず。
互いに平均以上サイズで、狭苦しい状態なのに1つの布団で眠り、朝を迎える。
目を覚ました時に、一番最初に見えた秋紀の顔が、ちょっと泣いたりしたからなのかブサイクだったのに引いたのは、絶対に言わないと決めた。
まぁ、私がそう決めていても別室に泊まった人の内、男性陣は会った瞬間に笑って。
「木葉、お前、朝は超ブッサイクだな!」
「うっせーな。朝だから、ちょっと目ぇ腫れてるだけだろ。」
「それで、前見えてるんですか?」
「見えてるよ!悪かったな、細目で!」
朝から、この調子だった。
女性陣はと言うと。
「りら、バカ正直に話して、また木葉クン泣かせたの?ケンカとか、したらアンタのが口強いでしょ。」
「してない。」
失礼なきとりちゃんと。
「姉ちゃん、悪気なく色々言うの、コノハアキノリは分かってるよ。それでケンカはしないと思うな。」
やっぱり意外にも、私達の事を分かっている妹だった。
この流れのまま、妹も加わり朝御飯を食べて、私の住んでいるきとりちゃんの家に戻る。
家の近く、赤葦さん家の前で妹が別れたのは気に掛かったけど。
その行動を理解出来る気がしなくて、何も聞かずに済ませた。