【名探偵コナン】【まじっく快斗】0時ジャストのシンデレラ。
第1章 12月24日。
『工藤新一』君は高校生の姿でおもいきりオレに蹴りをかまして、
真っ赤になって走って行った。
なによりも大事な彼女の元へ。
・・・オレはといえば、
蹴られた向こうずね抱えて無言だったり。
「・・バカね。」
「・・・・・どぉも。」
待ち合わせの時間はどんどん近づいて、
けど、誰もくる気配がない。
なんだか不安になって、園子の携帯に電話してみる。
今どこって聞くだけ・・・
『・・おかけになった電話番号は現在、電波の届かないところに・・・』
「うそぉ・・。」
なにやってるんだろ、私。
さっきから誰のことを待ってたの?
待ち合わせの時間にも待ち合わせ場所にも、
誰も来ないの?
なんで、泣いたりしてるんだろ・・
『・・蘭ちゃんはいい子なんだから、大丈夫。オレが保証してあげる。』
夢夜くんが言ってくれたけど、
私、いい子じゃないよ・・・
「蘭!!」
え?
「『今度』は間に合ったと思ったのに・・・おめー、なんで泣いてるんだよ。」
いつも電話ばっかり、
全然、会えなくて・・
「新一・・・?」
まるで、大急ぎで駆けつけてくれたみたいに
息をきらせて私の目の前にいる。
嘘。
『・・ここまでおしゃれする必要あるかなぁ。』
嘘。
『あるよ。女の子はトクベツな日にトクベツな格好じゃないと。』
嘘。
『わー。真っ白、綺麗なコサージュ・・もらっていいんですか?』
嘘。
『うん。オレからのプレゼント、雪がふるおまじない。
ほら、髪整えるから。いいよね、ホワイトクリスマスって。』
「・・新一もだまされたんでしょ?」
だって、新一のジャケットに白い花がついてる。
そんな服、着たことないじゃない。
「おめーに言われたくねーよ・・・いこーぜ、蘭。」
こんな風に手をつないで歩くの、何年ぶりかな?