【名探偵コナン】【まじっく快斗】0時ジャストのシンデレラ。
第1章 12月24日。
つきあってくれない?
なんてまぎらわしい言い方しなくてもいいのに。
夢夜くんてば。
『園子ちゃんにサプライズしようと思うんだけど、
ちょっと協力してくれない?』
園子がクリスマスに京極さんに会いたいって言ってたのは
もちろん、知ってる。
だから園子にはイブに私と一緒にショッピングにつきあってって、
ちょっとした嘘をついて待ち合わせ場所まで呼び出して、
そこに夢夜くんが京極さんを連れてきてサプライズ成功!
って言ってたけど・・
なんで私、こんな格好で待ってるんだろ?
「・・で?
なんだよ、急に呼び出して。」
博士のところに今すぐくるように呼び出すのは確かに哀ちゃんに頼んだけど・・
目の前のコナン君の機嫌はすこぶる悪い。
なんて言ったのさ?
「まぁまぁ。呼んだのはオレだから実際。」
むすっとしたままにらまれるのはオレなわけで。
いつまで続くかな?
その顔は。
「蘭と一緒に園子にサプライズ、なんだろ?
お前がいないなら蘭が一人になるだろーが。」
おや。うちわけ知ってたよ。
「・・ご存知なら、話は早いね。
でもご安心を。
園子ちゃんなら今ごろ真さんとやらに会えてると思うよ。
そろそろ空港に着いてるだろうから。
11時5分着、今回はブラジルで武者修行中。
よりにもよって地球の裏側にいてさぁ、チケットとるのに泣きそーになりましたよー。」
ひょいと肩をすくめてネタばらしすれば、
「はぁ!?
じゃあ、蘭は今ブラジルにいる園子を待ってるってことか!?
なに考えて・・」
「・・・正確には。
なにも知らずに工藤君を待っている、の間違いよ。」
哀ちゃんのナイスフォロー。
その通りだよ、名探偵。
哀ちゃんは、なんの飾り気もない・・ピルケースを取り出して、
一粒のカプセルをコナン君の手のひらに乗せると
「メリークリスマス、工藤君。
先に言っておくけどこんなことにつきあうのは今回だけだから。」
そのままそっぽをむいてあくびをかみころしていたり。
今回ばっかりは本気の寝不足だけどね、オレが無茶を頼んだから。