第47章 あなたの為なら☆信玄
… … …
2週間後の夜、三人は本能寺跡に集った。
次第に雲行きは怪しくなり、雷鳴が轟く。
やがて激しい雨があきらの頬を濡らし始めた。
もうすぐだ。
思った瞬間、景色がぼやけ、宙に浮いているような感覚を覚える。
…っ!目眩がする。
『あきら!佐助!』
信玄がガッとあきらと佐助の手を掴んだ。
… … …
ワーッ!
ガキン!
…いたた。
あきらが頭を押さえながら耳を澄ますと、沢山の人の叫び声や、刀のぶつかる音が聞こえる。
『…戻って来れた!?』
信玄さま!?佐助くん!?
急いで辺りを見回す。
『あきら、無事か?』
『信玄さま!』
走り寄り胸に縋り付いた。
『佐助も無事だ、安心しろ。既に戦に加勢している。
どうも俺たちは、500年後へ行った数刻後の、この時代に飛ばされたらしい。』
ん?という顔であきらが首を傾げる。
『つまり、今はまだ信長との戦の真っ只中という事だ。』
『謙信さま!』
『お早い お帰りだな。もっと のんびりしてくればよいものを。』
謙信が、ふん、と鼻をならす。
『まあ、そう言うな。よし、体も治ったことだし、俺もひと暴れするかな。』
肩を回しながら、信玄が戦の喧騒の中へと消えた。
私も…と立ち上がるあきらを見て、目を見開くと、すぐに視線を逸らして謙信が呟く。
『取り敢えず着替えろ。目のやり場に困る。』
え?と自分の体を見下ろす。
『あっ!』
うっかりミニスカートを履いてきてしまった事に気付き、真っ赤になるあきらだった。