第12章 始まり
二「あの人はそんなことこだわらないでしょ
好きなものは好きなんだよ」
櫻「………」
二「翔ちゃんはこだわりそうだよね?」
櫻「……ニノは?」
二「俺?こだわらないよ」
櫻「…そういうの抵抗ないの?」
二「ん~、ある人見てたらなくなった」
櫻「ある人?」
二「友達…かな?
その人ず~っと一人の人好きなんだけど、余りにも一途でね
見ててこっちが苦しくなって
いつの間にか相手が男とか関係なしに応援したくなった」
櫻「………」
二「ってかさ、その人元々男が好きなんじゃないんだよね
好きになった人がたまたま男だったんだよ」
櫻「………」
翔ちゃんの瞳から一筋の涙が流れた。
櫻「……にのぉ、俺どうしていいかわからないよ……
自分の気持ちがわからない……」
俺は翔ちゃんをそっと抱きしめた。
二「難しく考えないでよ
翔ちゃんが何をどう考えてるかわからないけど余計なことを全部省いたら、残るのはたったひとつの真実だよ」
俺より背の高い翔ちゃんが俺の肩に顔を埋め泣いている。
その背中を落ち着かせるようにゆっくりと擦ってあげた。
翔ちゃんが俺の洋服を握る。
櫻「………にのぉ、俺智くんのこと好きかも…」
頭を肩に載せたまま翔ちゃんが話す。
二「…うん」
やっと答えが出たね。
櫻「ニノ、わかってたの?」