第11章 【光秀 ~準備編~】
光「凧は、忍びや間謀などにも利用する。連絡手段や目印などにな。」
「のろし・・・みたいな感じですか?」
光「まぁ、少しは似た所はあるかもしれんな。」
麗亞が部屋の真ん中まで行って、色々な色や形の凧を見ていると後ろ手に部屋の襖を閉め光秀が入って来た。
急に明りがなくなり、薄暗くなる。
「み・・・光秀さん!閉めたら暗くなりますってば!」
後ろを振り向くと、急に肩を掴まれたかとおもうと、ぐるんと視界が反転し、気づくと背中に畳が当たっていた。
押し倒されたのだと気づくのに少しかかった。
「光秀・・さんっ・・何を・・?」
光「こんな暗い部屋で男女が居るという事はどういう事かわからぬほどお前も小娘ではあるまい?」
いつもと違う艶めいた声に急に心拍数が跳ね上がる。
「じ・・・冗談です・・よね?」
段々と目が暗闇に慣れて来たかと思うと、うっすら目の前に光秀の意地悪そうな顔が見える。完全に閉まっているわけではないので隙間から行燈の光が少しだけ差し込んでいた。
光「ほう・・・、此処まで来て冗談で済ませるか? 俺も一応男なんだが・・・?」
いつものからかうような顔ではなく真顔で言われる。
「だ・・っていつも 小娘・・・って・・・。だからその、私なんかそんな対象にはならないか・・と、思って。」
光「やれやれ・・・お前はそれでいいのか? いつもまでも子供扱いされた方が。」
「子供扱いは嫌です・・・・けど・・・。」
両頬に手を当てられて更に顔を覗き込まれる、すぐにでもキスされそうなそんな距離に麗亞は益々ドキドキしていた。
「み・・・つひ・・でさん・・・」
長いまつ毛に切れ長の目、淡い色素のサラサラの髪。よく見ると整った色気のある顔だちの光秀が真剣に自分の事を見ている。こんなことは今まであっただろうかと。ぼんやりと考える。
光「そんなもの欲しそうな顔してると、喰われてしまうぞ?」
そう言って光秀は顔を更に近づけて麗亞に口づけた。
最初はついばむ様に、しかし次は奪うように・・・。
「んぅ・・・・っっつ。」
(なんでっ・・光秀・・さん。)
戸惑う麗亞を他所に、光秀の下が口腔に入ってきて舌を絡ませた。
「ぁ・・ぅ・・ん・・。」
熱い舌が絡んでは吸われ、そしてまた絡まれる頭の中が沸騰するような感覚に陥った。