第4章 【伊達政宗・準備編】
政宗の顔がまた近づいたとき何者かが麗亞の肩をさらって引きはがされる。
「え?」
佐「はいはいーここまでです~お客さん、踊り子さんには手も口も触れないでください~。」
後ろを振り返ると佐助君と、幸村。
「佐助君、幸村~。また会ったね。」
呑気な顔をして嬉しそうにほほ笑む麗亞を見てあきれ顔の幸村。
幸「おーい、今度は政宗さんか?お前しょっちゅう誰かに口説かれてんのな~。」
政「ちっ・・また邪魔か。幸村と佐助がここで何してるんだ?」
渋顔で二人を横目で見る政宗。
佐「そういう政宗さんこそ、ここで二人で何を?呑気にデートという事でもなさそうですが?」
政「あーなんだ、例のアレの買出しだよ。あ、そうだ。いいところを邪魔してくれたお礼にお前たちに荷物持たせてやるよ。それくらいしてもらわねぇと割に合わねぇ。」
「あ、でも二人とも忙しいんじゃ・・・。」
心配顔で言う麗亞をよそにポーカーフェイスの佐助のメガネがきらりと光る。
佐「えぇ、ではご一緒させて頂きます。荷物持ち。これ以上麗亞さんにセクハラされてもたまりませんから。」
ちらりと幸村を見る佐助。
幸「おー、なんだ~、一応政宗さんが何するかも気になるしなぁ。せっかくだから手伝うかなぁ~」
幸(ったく冗談じゃないぜ、みすみす麗亞と政宗さん二人きりに出来るかっつーの!危なくてしょうがねー)
政(ふっ、どうしても麗亞と俺を二人きりにさせねーつもりだな、察しがいい奴らだ。まぁ、それなりのことはしてもわねーとな。)
三人の色々な思惑が渦巻く中、一人ではしゃぐ麗亞に三人三様なため息が漏れた。が麗亞がそれに気づくことはなかった。
段々人通りが増えてくると皆は市の中央にやって来た。
「うわぁぁ・・凄い~今日も賑わってるねぇ~」
キョロキョロとあたりを小動物のように首を左右に動かすと色とりどりの店が並ぶ中綺麗な装飾品のお店に目が留まり
思わず掛より、しゃがんで目に留まったかんざしを手にした。
「あぁぁ、綺麗。でも高そうこれ・・。」
店「まぁ、安くもないけど、高くもないときたもんだ。」