第4章 【伊達政宗・準備編】
(ん・・・重い・・・)
胸の上に何か大きい物が乗っかる感じがしてふと目を覚ますと。なんと大きい虎。
『え?何?何?』
食べられる!と思い目を瞑った瞬間
『ニャー』
可愛い声で鳴くと麗亞の顔をペロペロし始める
『し、照月?え?こんなに大きくなったの?』
大きくなった体全体で麗亞にじゃれつく照月。
『駄目、重いよ・・降りて・・・苦しい・・・。』
そう言って体を捩るけど、全然びくともしない。
「駄目だよ・・・。」
そういうと、だんだん、照月の顔が変化していく。
「え?何?」
そして目を手で擦り目を開けるとそこには、政宗が馬乗りになり、麗亞の目の前に。
「へっ?!!ま、政宗?!!」
気づけば麗亞の両手首も政宗が両手で掴み、布団に押し付けられて拘束されている。
政「なぁんだ、起きちまったか。残念。」
「なぁんだじゃないよ!なにしてるのよ?離して~」
ちっと舌打ちをし、しぶしぶと両手首を離し麗亞から離れる。
政「もうちょっと寝ててくれれば、照月がかわいがってくれたのに。」
ニヤリとほくそ笑む。
「よ、夜這いとか・・だめなんだからね!」
政「夜這いじゃねーよ、朝だからな。それにそんなふにゃふにゃした可愛い寝顔見せられると誰だってケダモノになっちまうぜ。」
「それは政宗だけだよ!」
カッと頬が赤くなり、布団で顔を思わず隠してしまう。
「そ、それよりどうしたの?こんな朝から。」
政「あぁ、今日は暇だろう?だったら俺に付き合ってくれ。手伝ってほしい事があるんだ。」
「あ、あの催し物のやつ?」
政「あぁ、お前の知恵も借りたいしな。朝餉が終わったら買い出しに市に行くぞ。だから早く支度しな。」
政宗はそういうと、立ち上がり、部屋を出ようとしていた。その背中に麗亞は答える。
「あ、・・うん。わかった。」
その答えを聞いて政宗は後ろ手にヒラヒラと手を振って部屋から出て行った。
「政宗は何にするんだろう・・・楽しみだなぁ。」
なんて呑気な事を考えてる麗亞だった