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【刀剣乱舞】銘々取りゝ 我等は刀よ

第1章 一歩


第一章 『一歩』

* * *

“西暦2205年、時の政府は過去へ干渉し歴史改変を目論む「歴史修正主義者」に対抗すべく、物に眠る想いや心を目覚めさせ力を引き出す能力を持つ「審神者」と刀剣より生み出された付喪神「刀剣男士」を各時代へと送り込み、戦いを繰り、────グシャッ!



「やっぱり分からん。30字以内に収めて出直して来い」

「ええっ!そんな立花様殺生な〜!!」



捻り潰した紙をポイと後ろに投げると、小さい謎の狐──こんのすけは嘆き上げて紙を拾いにトランクへと飛んで行く。

春の麗らかな日光を窓越しに感じながら、私は背もたれに深く体重を預ける。ゆったりと落ち着ける運転の仕方を心得ている運転手の技術に思わず脱帽する。


「酷いですぞ立花様!これは推敲に推敲を重ね、やっと審神者の皆様に簡単にご理解頂ける物になった文章ですのに!!」

「うんうん悪かった。大体は理解出来たんだがな?歴史修正主義者が歴史変えようとしてるくだりがさ…」

「それについては、訓練生の時にも習われたかた思いますが、私達の方でも調査を進めておりますが、未だ解明されておりません」

「ふぅん…ま、どーだっていいか。一端の審神者には関係無い事だしね」


そう適当に返し、こんのすけの頭を撫で繰り回す。毛並みが乱れます〜!と困り声を上げる彼を他所に、私はまた車外に目をやった。

高校三年生の春。もし今までと何も変わらなかったのなら、私は今普通に学校に行って、普通に授業を受け、普通に友人と笑い合い、高校生としての日々を謳歌していただろう。











でも今は違う。私は───審神者になったのだ。

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