Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第1章 鈍感少女の青春記録Ⅰ《青葉城西》
"なんか、頭のネジ1本取れて、る…"
その瞬間、シ―――ンとなる、体育館。てんってんっとボールが跳ねる、音が響く。どれくらい経ったろうか、ぶふっと、誰かが吹き出す。そしてそれはやがて連鎖して、大きな笑いの渦へと変化した。
「ふっ…はははははっ、はは、はははっ!」
「俺、ネジ取れてるの…?」
「うっわ及川の顔面、マジウケる」
「ヤバい、腹筋死ぬ…ふははははっ、あはははははっ、はは、ははははっ!」
頭のネジ、取れてる…
って私、スゴいこと先輩に言ったね!?
『ごごごごごごめんなさいぃっ!』
「なんか俺、再起不能かも…」
『ごめ、ホントごめんなさい!及川さんっすっすいっ、すいませんでしたぁっ!』
「いや、天草、謝らなくていい」
「むしろよく言ったよ」
「いやぁ傑作」
一頻り笑い、"ネジ取れてる"と及川さんを罵った後、岩泉さんは今日一番の笑顔。
「天草なら安心して頼めるな」
『素直に喜んでいいですかね、コレ…』
「俺はネジがない、ネジが取れてる…」
体育館の隅っこでイジける及川さん。これは100%私が悪いですよね。ごめんなさい。
「何はともあれ、これからよろしくな!」
『はい、よろしくお願いしますっ!』
岩泉さんにペコリ、とお辞儀をした。