Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第1章 鈍感少女の青春記録Ⅰ《青葉城西》
入部届けなんかのプリントの説明を岩泉さんにしてもらっていると、のしっと頭に重み。犯人は、またしても花巻さん。
「ねーねー、星菜ちゃんって呼んでいい?」
『花巻さん、さっき何気に呼びましたよね』
それから、あれこれとどこかズレたアダ名を考え続ける花巻さん。松川さんはすまなそうに言った。
「ごめんな…花巻も、おかしいんだよ」
『松川さんがまともでよかったです』
そんな会話をする傍ら、早くも復活した及川さんと岩泉さんがケンカをしている。
「すぐナンパするのどうにかしろ!」
「岩ちゃんが捕まえてくれないからぁっ!」
「なっ、ふざけんなっ!!///」
「わー、照れて…痛ァッ!?」
ドゴッと鈍い音。どうやらこの部活、一筋縄ではいかない人が多い様子。いつしかカオスと化した体育館の一角。それを眺めながらふと気になったので、隣の松川さんに訊ねる。
『あの、1,2年生の紹介はないんですか?』
「あ、あぁ!してないね、そういや。おーい岩泉…って、ダメだな、ありゃ」
『忙しそう、ですね』
必殺の間接技、腕ひしぎを及川さんに掛ける岩泉さん。うん、忙しそう。
「じゃあ俺が紹介するか」
スッと松川さんが手を伸ばす。指で示す先には坊主頭の人と、淡い茶色の髪の人。
「坊主が渡、リベロな。で、片割れが矢巾、ポジションはセッター。どっちも2年」
『渡さんと矢巾さん』
「で、向こうにいるのが国見と金田一」
『国見くんと金田一くん、は、1年?』
「そ」
他にもたくさん部員がいるよう。後で名簿作っておかなくちゃ。
「うるさい部活だけど、これから頼むな」
『はい、頼まれました』
ふふ、と笑うと、松川さんも笑った。そうしてポンポンと頭を撫でてくれる。その感触がお父さんっぽかったのは、私のヒミツ。
クスクス笑いながら、賑やかな方に目を遣る。これからの高校生活が楽しみになった、そんな放課後なのでした。
To Be Continued・・・