Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第8章 ★18年分のダイスキを。:花巻
学校近くの停留所からバスに乗る。行き先は駅前だった。何があるんだろう。ワクワクしながら移動時間を過ごし、終点の駅前で降りた。
ビルの林の合間を歩いていると、ピタリと星菜が止まった。
『着いたよ!』
「え、ココって……まさかっ!?」
『新しくオープンしたスイパラでっす!』
ぱんぱかぱーん!とでも効果音が付きそうな具合に星菜が両手を広げる。その後ろにそびえ立つビルには、確かにスイーツパラダイスの看板。でもここってすげー人気で予約とかしとかなきゃいけないんじゃ…
そう思っていると、星菜がポケットからジャンッと何かを取り出した。ピンクのカワイイそれは、どうやらチケットのよう。
『お母さんの知り合いがね、ペアチケットくれたんだぁ。貴大もスイーツ好きだったから一緒に来たかったの。どう、ご感想は?』
「いやいや、めっちゃ嬉しいんだけど」
だって、スイパラだろ?スイーツは食べ放題だし飲み物も飲み放題。しかもチケットには無料クーポンと書いてある。最高じゃん。
「いやマジで、最高すぎるわ」
『よかったー!さ、早く行こ!』
星菜が俺の手を取り駆け出す。ちょうど来たエレベーターに乗って3階に向かう。ポーン、と扉が開くと、そこは甘い香りに満ちたまるで夢の世界。
『すみません、2人お願いします』
星菜が受け付けなどを済ませ、とりあえず窓際の席に座った。コートを背凭れに掛け、顔を見合わせてニッと笑う。
『それじゃあ』
「食べるとしますかね!」
それからはもう、なんて言っていいのか分かんないくらいに楽しかった。
シュークリームのクリームはダブルで、生クリームとカスタードがめっちゃうまい。
イチゴショートはスポンジのふわふわ感が絶妙で、しかも間のイチゴジャムが美味。
チーズケーキはスフレのように口のなかでとろけて、しかも底のクッキーみたいな生地がサクサクでちょうどいい。
星菜から抹茶シフォンをあーんしてもらったり、俺もミルフィーユをあーんしてあげたりと、イチャコラもできた。
「めっっっちゃうまかったな!」
『ほんと、すんごい美味しかったね!』
甘ぁいスイーツを十分に堪能した俺たちは、そのまま俺の家へと向かった。