Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第8章 ★18年分のダイスキを。:花巻
1限目の前、岩からのプレゼントを開けると、綺麗にラッピングされたヘッドフォンと、部員からの寄せ書きが入っていた。
「すげ、これ欲しかったヤツじゃん!」
『あー、カッコいい!』
ブラックがメインで、左右のスピーカーボックスのにはミントグリーンのラインが3つ。3つのラインは背番号、ラインの色はユニの色…ってこれ、めっちゃいいじゃん。
この年になって誕生日なんて、ってちょっと思ったけどさ。すげー、嬉しいや。
『貴大、帰りに貴大ん家寄ってもいい?』
「なして?」
『あたしもプレゼントあるんだけど、貴大の家に行ってから渡したいなぁって』
「ん、いーよ」
『よかった。あ、授業始まっちゃうね』
またね、と星菜は席に戻った。と、隣の席の女子が朝からお熱いね、とからかってきた。だろ?と言ったのが照れ隠しだと、そいつは気付いたようで、クスリと笑った。
昼休みには一緒に弁当を食べた。授業間の休み時間まで一緒、というワケにはいかないので、そこはグッと堪えた。本当ならずーっと隣にいたいけど、お互いにクラスメイトとの関係もある。こればっかりは、しゃーない。
そして待ちわびた放課後。学校を出ると星菜は家の方向と真逆へ。
「あれ、帰るんじゃねーの?」
『えっと、いっこ寄り道したいな。ってかサプライズで行きたいとこあって。いい?』
「サプライズ?なに、どこどこ?」
『それは、着いてからのお楽しみでーす!』
ひひっと歯を見せて笑う星菜。それから手を繋いで歩いた。もちろん、恋人繋ぎで。1歩1歩、足を踏み出す度に、ぎゅっぎゅっと雪の鳴る音がする。
『こうして貴大の誕生日を隣でお祝いできて嬉しいなぁ。来年もこうしたいね』
「来年と言わずに一生でもいいんだぜ?」
『へ?』
ふっ、と見上げる星菜。イミ、伝わってるかな。だがそんな心配は必要なかったらしく、星菜は見る間に真っ赤になった。
『貴大それっ、プロポーズだよね!?もっかい言って、今度こそ録音しとっから!』
「誰が言うか!」
ちぇー、と唇を尖らせる星菜。
『でもいいもん。ありがとう、大好き!』
ほうっと白い息を吐いて、はにかむ星菜。この最高にカワイイ笑顔を見れるなら、何回だって言おう。そう、思った。