Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第1章 鈍感少女の青春記録Ⅰ《青葉城西》
あ、ヴォルデモートさんじゃない、と。
『すいません、ちょっと知らないです…』
「え、マジで?及川目当てでマネージャーやりたいって言ってんだべ?」
『岩泉さん、どこをどう解釈したら…』
「え、星菜ちゃんアイツ知らない!?」
『初耳ですけど』
花巻さん、驚きすぎです。
「あの、ボケ狙ってるとかじゃなくて?」
『いえ、全く知りません』
松川さん、どうして私がボケを狙うんですか。
完全に私が知らないと悟ると、岩泉さんが笑い出した。そして、笑いながら言う。
「そうかぁ、あのクソ川を知らない人がいるのか。ザマァ見ろだな」
『私、つい先月まで東京にいたので…だから知らないのかもしれません』
「へー、都会っ子なのか」
コクと頷くと、岩泉さんはニカッと笑った。
「及川にはあんま絡むなよ」
『………え?』
「いや、マジで面倒くさいからな」
『そ、うなんですか?』
私の頭にアゴを乗せながら、花巻さんが言う。いやあの、離れてほしいんですけど。
そのまま"及川さん"という人物について詳しく聞いていると、、1人の男子生徒がドタバタと体育館に駆け込んできた。
「岩ちゃああぁぁぁあん!!!」
「うるっせぇんだよおぉぉぉお!!!」
「へぶぉっ!?」
走るその人を、岩泉さんが華麗に飛び蹴り。お腹のド真ん中を蹴られたその人は、綺麗な弧を描いて吹っ飛び…
ドンガラガッシャ―――ンッ!!!
と、バレーボールのカゴに激突した。