Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第1章 鈍感少女の青春記録Ⅰ《青葉城西》
その後、メインのメンバーだけでもすぐに覚えてほしいと、岩泉さんに言われた。その場に残ったのは、10人ほど。
「さっきも言ったが、岩泉一、副主将やってる。3年は全部で4人か。他にも何人もいるけど今は練習に戻ってるかな…」
『岩泉さん、よろしくお願いします!』
「よし、じゃあ花巻と松川も」
そう言うと、隣にいたピンクの髪の人がうぃーっすと返事をした。
「どもー、花巻でーす」
花巻さんは岩泉さんよりも背が高い。なんか、雰囲気がチャラそう…
「松川です。よろしくな」
これはクセっ毛の黒髪の人。く、くちばしがあるように見える…
『よろしくお願いします!』
ペコッと頭を下げ、あれ、と思う。さっき4人って言ってなかったっけ?集まっている中に3年生は他にいないらしいし。え、まさか、透明人間、とか?
『あの、4人目の方は、どこに?』
「ゴメンな、今はいないわ」
そう言うのは花巻さん。
『い、いない、とは…?』
「チッ、あのクソヤロウ、またサボりか」
く、くそやろうって…岩泉さんが盛大な舌打ちと共に悪態をつく。
「まぁクソ川だし、しゃーないな」
「それな」
え、花巻さんまでクソって言うの!?松川さんも同意しちゃうの!?
クソ川さん!?スッゴい気になる、誰!?
『あの、クソ川さんっていうのは…?』
「キャプテンなんだけどさ、ちょーっと一般常識からズレてるんだよ。な、松」
「そーそー」
松川さん、花巻さんにやっぱり同意。
『その人のお名前は…?』
触れてはいけない話題のようで、恐る恐る訊ねてみると、はぁっと岩泉さんがため息を吐いた。まさか、"名前を言ってはいけないあの人"なのか!?ヴォルデモートなのか!?
「及川徹。お前も知ってるだろ?」
……………え、誰?