Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第7章 ★Look at me!:田中
「―――ってなことが昨日あったんだよ」
「「「「ふーん」」」」
天草から一方的な告白を受け、その翌日。朝練のために着替えながら2年のやつらに言うと、この素っ気ない反応が返ってきた。
「まさか田中に告白する物好きがいるとは思わなかったなぁ。意外すぎるだろ」
「コラ縁下!天草のことを悪く言うやつは許さねーからな!?」
「もしかしてもうデキてる?」
「ッ違う!俺には潔子さんだけだッ!!」
そうだよな、とノヤに手を伸ばす。と、ペシッと振り払われた。それからポツリ。
「………裏切り者」
「の、ノヤっさん?おーい、もしもーし…」
それきり口を開くことはなく、ノヤはさっさと体育館に向かってしまった。呆然としていると、縁下たちが苦笑している。
「西谷、やきもちでも妬いてんのか?」
「かもな。ずっと田中と潔子さん潔子さん言ってたから、寂しいのかもな」
「お前めんどくさいなー。天草とも西谷ともめんどくさいことんなってんなー」
「慰めてんの貶してんのどっちだ!?」
「「「両方」」」
「ひでー!」
笑う縁下をどつき、体育館に向かう。そこには大地さんたちと潔子さん、天草が既に準備を始めていた。
「オハヨーゴザイマス!」
「あぁ、おはよう」
『田中先輩っ、おはようございます!』
「は、はよ……///」
にぱーっと笑って挨拶をする天草。昨日のことが頭を過り、不覚にも顔が熱くなり思わず目を逸らした。それに気付いた縁下がやれやれと呟く。
「田中ぁ、お前早速かよ」
「うううううるさい!」
『あ、西谷先輩おはようございまーす』
「おう、はよーっ!」
ストレッチをしているノヤに駆け寄って挨拶をする天草。それから潔子さんとサポートに回った。
部活では、朝はゲームなどはせず、サーブやレシーブなどの基礎をやる。サーブを続けて打っていると、ボールが明後日の方向に飛んでいった。慌てて追うと、天草がボールを拾ってくれた。
『はい、どうぞ』
「お、おう。サンキュ……」
笑顔の天草を直視できず、ボールを受け取ってすぐに戻った。なんだよクソ、俺ばっかり意識してんじゃねーか。こうなった時点で天草の勝ちだということに、バカな俺は気付かない。