Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第7章 ★Look at me!:田中
部室には部員の荷物やロッカーの他に、ドリンクの粉末やサポーター、テーピングなどの備品があった。それら場所にはラベルが貼ってあるけど、覚えるには時間がかかりそう。
「じゃあ次、体育館に戻ろうか。ネットとかボールとかの場所も知ってた方がいいかな」
『はい』
体育館に戻ると、部員たちは半数ずつに分かれてゲームをしていた。スゴいなぁと思ったのが、影山と日向のコンビネーション。それからあずまね…さん?のスパイク。
そしてそれから、田中先輩。
「ィヨッシャアァァァア!!!」
「田中うるさいぞ!」
「ホアァァァア!!!」
「だからうるさい!」
スパイクが決まるごとに雄叫び。そしてちっちゃい人、西谷先輩とハイタッチ。ほぇーっ、とその姿を感心して見ていると、隣の潔子さんがごめんね、と言った。
「すごく、うるさいでしょ?」
『いえ!あの、賑やかだし楽しそうなぁって。わたし、今まで何かに本気になったことがあまりなくて。だからあんなに楽しそうにしてるの、うらやましいです』
「星菜ちゃん……」
中学の頃は、何かに一生懸命になるなんてダサい、汗だくなんてカッコ悪い、そう思っていた。でも今、こうしてバレーするみんなを見ていると、"いいなぁ"と思うのだ。
『わたし、ほんとはバレーあんまり見たことなくて。なんとなく、来てみたんです』
さすがに、田中先輩に惹かれて、とは……
『でも、マネージャーになってスゴくよかったなぁって思います!』
ニコッと潔子さんに笑う。潔子さんも同じようににこりと笑顔を返してくれた。すると、
「うおぉ――っ、ノヤ、見ろ!!」
「おおぉ…天使が、いや女神が!!」
「「微笑んでおられるうぅぅぅう!!」」
「いー加減静にしろっ!」
うおぉと叫ぶ2人を、澤村先輩が怒鳴る。
「潔子さんの、潔子さんの笑顔――ッ!!」
「田中マジ黙れよ!」
シャツを脱ぎ出した田中先輩を、今度はスガ先輩がどやす。潔子さんは呆れたようにため息を吐いたけど、わたしはそれどころじゃなかった。
田中先輩は、潔子さんのこと―――?