Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第6章 鈍感少女の青春記録Ⅱ《青葉城西》
「うぇっほ、ごっほがは、げほげほげほ…まっず!何これ、クッソ不味いよ!!」
『おおお及川さん、水、水!』
おえおえ言ってる及川さんに、水を差し出す。ごくごくとイッキ飲みした及川さんは、スマホを構えてニヤニヤしている松川さんを鋭く睨み付けた。
「ちょっとまっつん!」
「いいもん見れたわ」
「及川サンのこと撮るなら、もっとイケメンでカッコいいとこを記録に残してよ!」
「「「うわぁ…」」」
なんということだ。及川さんの怒りは、もはや自身のカッチョいい姿を録画してくれなかったことに向かってしまうのか。
ここまでナルシストだと、いっそ清々しい。
『岩泉さんの6年間の苦労に恐れ入ります』
「俺も同感」
「岩泉はエラいな」
みんなで口々に岩泉さんを褒める。
『心から尊敬します』
「星菜ちゃん?」
及川さんをスルー。
「岩イケメン。彼氏にしたい」
「花巻も、やめろよ」
「あれ、あれあれ?」
花巻さんも、スルー。
「いやーマジでイケメンだわ」
「松川もか!」
「あ、あれあれあれあれ?」
もちろん、松川さんもスルー。
「なんでみんな俺を無視するの!?」
「「「『ウザいから』」」」
「及川サンのガラスのハートが!」
「砕け散ろ」
「爆ぜろ」
「割れちまえ」
『防弾ですよね?』
「うっわ、みんな鬼か!」
『もしかして、及川さんじゃなくて鬼川さんなんじゃないですか?』
「星菜ちゃんちょっとやめてぇ?」
うぅ、と机に突っ伏する及川さん。みんなで顔を見合わせ、プッと吹き出し、思いっきり笑った。いつの間にか及川さんも復活してるし。ふふ、楽しいなぁ。
たくさん笑って、それからデザートを選ぶ。
『花巻さん、どれにします?』
「俺はシューパフェ」
『私イチゴにしよっかな』
「お、ウマそう」
『あーでもチョコも食べたい』
「迷え迷え-w」
『うー、イチゴにします』
「おっけ。じゃ頼むか」
『はい。あ、食べっこしましょうね』
「だな」
パフェを嬉々として選び、注文する。そんな私たちを見ながら、こんな会話があったとか。
「マッキー、顔弛んでない?」
「まぁ、恋人っぽいよな」
「甘党カップル?いーんじゃね?」
「え、まっつん、ダメだよ!及川サンの!」
「「お前、マジウゼぇ」」