Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第6章 鈍感少女の青春記録Ⅱ《青葉城西》
さて、歓談の後に料理が来ました。予め取りに行っていたドリンクを片手に、及川さんがわざとらしくコホン、と咳払いをした。
「えーそれでは、岩ちゃんと星菜ちゃんのお誕生をお祝いしまして!」
「「「「『かんぱーい!』」」」」
カチン、カチャン、とガラスの当たる涼やかな音が摩る。こくりと一口飲んでから、それぞれに食事を始めた。
私もいただきまーすと食べ始める。ん、麺がアルデンテだ、めっちゃ美味しい!しかもクリームソースとブラックペッパーが絶妙だ!
「星菜ちゃん?」
『今、ものすごく感動してます…』
「そっか、来てよかったねー!」
『はい!及川さん、ありがとうございます!』
先輩たちとこうしてご飯できるのが、そして何より誕生日を祝ってくれるのが、嬉しくて嬉しくて、笑顔もいつもの何倍も。にっこにっこと笑っていたら、及川さんが俯く。
『及川さん?』
「ごめん今ムリ。直視できない…///」
『へ?』
「あれ、及川意外とピュア?」
「ここまで純粋にカワイイやつが、及川の周りに来なかっただけだろ」
「岩泉もカワイイのは否定しないのな」
「松川だってそうだべ」
『ん、ん?あの、なんの話ですか?』
「いーのいーの。星菜ちゃんはそのまんま、今のままでいいのよ?」
親戚のおじさんみたいな台詞を言いながら、松川さんが頭を撫でる。お子ちゃま扱いされてる地帯でムッとした私は、松川さんの右手をガシッと掴み、フォークの先のハンバーグをぱくり。食べた。
「えっ?」
『もぐもぐごくん、子供扱いされてるみたいだったんで、少しムッとしました。なのでいっそ子供らしく食べてみました』
ふふん、とドヤ顔してみる。と、ぶっはっはっはっはっ、と花巻さんが笑う。つられてみんなもげらげらと笑う。
『えぇ?ちょっ、なんでですかぁ!?』
「いやマジで…天草カワイすぎだろ」
『岩泉さん!?』
「「「激しく同意」」」
『なんでえぇぇぇえ!?』
1人理解が追い付かない私の耳に、4人の高らかな笑い声が響くのでした。