Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第5章 ★ヤキモチの裏返し:二口
【二口 side】
簡潔に言おう、俺は今、不機嫌だ。
原因はコレ、俺の部屋で無防備にも寝っ転がってスカートの裾が際どい彼女。
「なぁ星菜」
『んー、二口なぁに?』
「何してんの」
『スマホー』
んなことは見りゃ分かんだよ!そうじゃなくて俺が言いたいのは、それは手の動きからしてメールかLINEだろって話。彼氏ほっぽって他の男と何やってんだよって話!
「なに、及川?」
『そーそー。あと岩泉もだよ』
「どーせそうだと思った」
ムッとしながらそう返すと、星菜はむくりと起きた。そしてベッドに腰掛ける俺の隣にいそいそと座る。
じっと見てくるその目の光は不安そうに揺らいでいて、なんだか無性に腹が立った。
『二口、どしたの?』
「別に」
『またそれだ。怒ってる?』
「怒ってねーって」
『でも二口、恐い顔して…』
「あー、るっせぇ!」
『キャッ!?』
どさり、と星菜を押し倒す。カシャン、と音をたてて星菜のスマホが床に転がる。そして俺の下にいる星菜は、明らかに怯えている。
『二口なんで?私、怒らせるようなこと…』
「してるよ。俺、めっちゃ怒ってる」
『な、で……ごめ、なさぃ……ごめ…っ』
星菜の目が潤んだかと思うと、目尻からつぅと水滴が伝う。しまった、泣いてる。
「あーもう、泣くなよ…」
『だ、てぇ…っふ、たくち、おこって…』
「俺が悪いの。俺の勝手な嫉妬なの」
『し、っと?』
ひっく、としゃくりながら星菜が訊く。こいつ、マジで分かんなかったのか。
「お前が青根と仲良さそうで、しかも及川とも仲良さそうだったから嫉妬したの」
『しっと、て、や、やきもち?』
「そ。こんな俺、幻滅する?」
ふるふると首を横に振る星菜。涙をぐいと拭うと、ふにゃりと笑った。