Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第5章 ★ヤキモチの裏返し:二口
待ちに待った放課後。二口との久し振りのデートは、制服での駅前デート。もちろん、テンションは上がりまくり。
『二口、あっち行こー!』
「おう」
『二口、あれ何だろう!?』
「おう…」
『二口、ねぇねぇあれ美味しそうだよ!』
「おう……」
『二口ぃ、早くー!』
「落ち着け、小学生かーっ!?」
ぐわーっと怒る二口。走り出そうとしてたのを、渋々二口の前に戻る。腰に手をあてて二口は大層ご立腹の様子。お、怒ってる…
「あのなぁ…楽しくてはしゃぎたいのはわかるけどよ、ちったぁ落ち着け!」
『だってぇ、久し振りだもん……』
しゅんとして二口の足元を見る。インハイの予選とかで忙しくて、なかなか会う時間をとれなかった。部活に一生懸命っていうのは分かってる。でも寂しかったんだもの。
ったく、と二口はわしわしと後頭部を掻いた。ぐいと腕を引かれてバランスを崩す。と、二口な抱きしめられていた。
『っふ、二口っ!?』
「悪かったな。あんま構ってやれなくて」
『………撫でてくれたら許す』
「そんだけ?安いな-w」
ぽんぽん、と二口の手が頭に乗り、優しく二口の手が動く。髪を滑る手の感触が気持ちよくて目を閉じていると、不意に手が離れた。
『ん?二口?』
「行くぞ」
『え、なんでぇ?』
「いいから、早くし…」
「あ――――――――ッ!?」
早くしろ、と言う二口の言葉を、誰かの叫びが遮る。後ろから聞こえた声に驚いて振り向くと、そこには懐かしい姿。
「チッ、捕まったか…」
『え、あ、岩泉じゃん!』
「ちょいとお待ちよ、俺はスルー!?」
『わぁ、岩泉、久し振りー!』
「天草か!」
そこにいたのは懐かしいかな、中学の同級生の及川と岩泉だった。2人とも少し背が伸びたくらいで、ほとんど変わっていない。
『なつい~!え、及川とか元気だった?』
「元気だった。空の上から見てんじゃね?」
「岩ちゃん俺を殺さないで!?」
ちっとも変わらない姿にけらけらと笑う。
「そういや、後ろのって……」
「いやぁ、俺いつまで空気かと思ったよ」
「なっ、伊達工の!?」
「どーも、二口でーす」
ヘラヘラと笑う二口。対して及川と岩泉の空気はピリピリとしたものに。ん?何かな?もしかして、仲がよろしくないとか?