Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第4章 ★"恋"ってなんですか?:日向
結局、日向は渋々家に上がった。パパっと有り合わせで作ったご飯を"もっぐもっぐ"と食べるその顔は、不機嫌そのもの。
『美味しい、日向?』
「…おいしくなかったら食いません」
『もう、ごめんってば。そんな怒んないで』
「うー…うまいからいいです」
そう言って野菜炒めを頬張る日向がかわいくて、また笑う。バラエティ番組を放送中のTVを見ていて、ふと思い出す。
『そういえば、お家に連絡した?』
「まられふ!」
『じゃあご飯終わったらしときなね。そうだなぁ、"テストが近くて友達の家に泊まり込みで勉強するから帰れない"とか?』
「ほーひまふ!」
もっもっと白飯をかっ込む日向。オレンジのクセっ毛を一撫でしてから、リビングのドアに手をかけた。
「はれ、ろほひふんへふは?」
『ん、お風呂。あたしの部屋は階段上がって右側にあるから。ヒマだったら適当に本とか読んでていいからね?』
「ふぁーい!」
口にご飯いっぱいの日向とよく会話できたな、あたし。まぁいいや。とりあえずお風呂お風呂。そうだ、お湯ためとこ。
いつもの倍速でシャワー。ドライヤーをかけるのすらもどかしく髪は生乾き、ぱっぱと着替えて階段を1段飛ばしで駆け上る。
『日向っ、おまたせー!』
「あ、星菜さ…ってわあぁぁあ!?」
本棚にあったであろう漫画を読んでいた日向は、飛び上がって絶叫してその場に踞る。
『ひ、日向?』
「ダメです来ないでください!」
『え、拒絶反応?』
「ち、違います!服、服がっ!」
『Tシャツとハーフパンツだよ?』
「えっ、えろ、エロいんですよっ///」
あらー、お年頃の反応だね、日向ってば。
『慣れてね。あたし裸族予備軍だから』
「む、ムリです!」
『じゃあ帰る?』
「うっ……お、お風呂!お借りしまひゅ!」
予め用意しておいたのか、替えの服を持って日向は部屋を飛び出した。ほんとにもう、
『かわいい///』
ふと、日向の読んでいた漫画を手に取る。
『あれ、少女漫画。しかも、ちょいエロ』
数年前にブレイクしたそれは、表紙からしてなんとなくそんな雰囲気のやつ。
少年漫画もあるのに、こんなのを選ぶなんて。なんだ日向もけっこうその気なのかな?なんて、期待しても、いいかな、日向?