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Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》

第3章 ☆黒猫の慧眼:黒尾




そうして始まる、夏休み合宿。舞台はさいたまの森然高校、期間は1週間。今回は関東圏の4校に加え、GWに練習試合をした宮城の烏野も一緒のようだ。


『潔子さん、元気かな』

「お前、マネちゃんと仲良かったもんな」

『はい。すごく綺麗で優しくて。ああいう女の人って、なんか憧れちゃいます』


バスの移動中、隣の黒尾さんとそんな話をする。本当は心臓が少し騒がしいのだけど。


「まーな、烏野のマネちゃん美人だよな」


その言葉につきり、と胸が痛んだ。いくら本当に綺麗だとしても、黒尾さんの口から聞くと、やっぱりキツいかもしれない。


「でも俺は天草のが好きだぞ」

『………へ?』

「気配りはできるし手際もいいし。あーあ、俺が1年の時からいてくれたらちったぁ楽ができたのになー。なんてネ?」


ニヤリ、笑う黒尾さんに、私も笑う。でも内心はそれどころじゃない、穏やかじゃない。

恋愛としての意味じゃないとしても、黒尾さんの口から出た言葉なのだ。私のことを好きだと言ったのだ。ああもう、心臓が壊れそう。

その時、後ろから声が聞こえた。


「天草、シェアハピする?」

『孤爪君っ、うん、ちょうだい、ほしい!』


ぐりんと振り向いてポッキーの小袋を受け取る。怪訝そうな顔の孤爪君と、ばっちり目が合ってしまった。


「どうしたの?なにかあった?」

『べべべべ別になんにも!?』

「挙動不審だよ?」

『ほんと、なんでもないよ。後ろから声掛けられて少しびっくりしただけだから』


それもそうなのだけど、孤爪君が私の赤くなった頬に気付いてないか。挙動不審なのよりも、それの方が心配だ。


「天草、顔赤くね?大丈夫か?」

『く、黒尾さっ///』


いきなり黒尾さんの手が前髪を避けておでこに触れる。ヒヤリとしたその手は、私のとは全然違って、男の子なのだと過剰に意識してしまう。また、体温が上がってしまう。


『だ、大丈夫です。少し、あ、暑くて』

「だよなー、8月だしなー。あ、熱中症には着ィ付けろよ。マジで恐いから」


キャプテンの忠告デス!と言う黒尾さんに、コクコクと頷く。これ以上視界に黒尾さんがいると、どうにかなってしまいそうだった。


  
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