Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第16章 ★嫉妬心:瀬見
【瀬見 side】
単純な話だ。すげぇ大好きな彼女がいて、その子が生意気な後輩にバレー教えてて、あろうことかその流れで手ぇ握って。それに、嫉妬した。それだけ。
だから器具室に閉じ込めて、電気消して、抱きしめて、その柔らかな唇を奪った。
『んんっ!?』
天草が息を詰めたのがわかり、内心でニヤリと笑う。天草はキスが苦手だ。1年経った今も、息をするのが下手で、すぐに酸欠になる。『あっ…』という吐息と共に薄く空いた唇に舌を捩じ込んだ。
『んっ、ふぅ、んんーっ!』
俺の胸元に添えた手をピン、と張り、突っ張ろうとする天草。そんなことは許さず、後頭部に添えた手にぐっと力を込める。
しばらく口内を蹂躙していると、不意に天草の体からカクンッ、と力が抜けた。腰に手を回して支え、そのままキスを続行。もはや蕩けきっている天草は、自分から舌を絡めてくる。
長いキスの末、そっと口を離す。つぅっ、と銀の糸が2人の間を繋ぐ。ぷつん、と切れると同時に、天草が俺に体を預けてきた。
『っ、はぁ、せ、み……ここ、器具室…』
「ここじゃなかったらいいのか?」
『違っ…』
「じゃあ、やめない」
彼女のその口から反論する言葉が出る前に、もう一度塞ぐ。キュッと固く結ばれた唇を舌先でそっと撫でる。ちろり、と舐めればビクッと天草が肩を跳ねさせる。
小さく息が吐かれた隙きに、唇を割って舌を滑り込ませた。激しくしたを絡めると、再び天草の体勢が危うくなる。腰と後頭部を支えてやりながら、ゆっくりと倒す。そしてマットの上に倒れた天草とのキスを、心ゆくまで堪能した。
『んぅ、っ………はぁ、はっ、ふ、ぁ』
「やば、めっちゃエロい…///」
暗がりにうっすらと浮かぶ天草の姿。ジャージのチャックは胸元まで下げられていて、露わになった白い肌は、心なしか赤く火照って見える。
俺を見上げる2つの目は焦点が定まっていなくぼんやりしていて、生理的なものか、涙で潤んでいる。そして小さく開いた口から溢れる吐息は、熱い。
そんな姿にさせたのは自分で、天草が俺を呼ぶ度にそれを痛烈に感じる。そしていつ誰が来るかも分からない器具室という場所、感じるスリル。
もう、止まらない。