Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第15章 鈍感少女の青春記録Ⅲ《青城》
翌日。私は朝から落ち着きがなかった。授業では当てられても返事しなくて笑われるし、ぼーっとして階段踏み外すし、自販機は間違えて変なの押しちゃうし。
『我ながらヒドかったなぁ……』
苦笑して、それから荷物を抱えて歩き出す。目指すはバレー部のいる体育館。京谷さんがいるはずだから。
そして着いた体育館。ざわざわとなんだか騒がしい。その原因は、入ってすぐに分かった。
『こんにちはー。何かあったんです…』
「星菜ちゃん!京谷が来たんだよ!」
『え、ほ、ホントですか!?』
及川さんに呼ばれ、慌てて駆け寄る。ネットの張られたコート、そこには確かにジャージを着た京谷さんがいた。すると私に気付いたのか、京谷さんが歩み寄ってくる。それから目の前で立ち止まり、こう言った。
「おい、お前、来てやったぞ」
『はい。ありがとうございます』
「あと、あれだ。昨日は悪かった」
『いえ、来てくれたんで、気にしてないです』
「そーか」
『はい』
「お前に言われてきたんじゃねーからか。あのネコが行けってうるさかったから、だからだ」
『はいはい-w』
そんな会話をしていると、後ろが騒がしい。振り向けばプンスカ!と腰に手を当てる及川さん。
「ちょっとそこ、なに仲良くなってんの!」
「いちいち許可いるんスか」
「はぁ、ちょっと狂犬ちゃん、戻ってきて早々先輩にその口の利き方はないんじゃ…」
「おう、京谷。久し振りだな」
「岩泉さん、ウス」
「扱いの差ーッ!?」
岩泉さんにペコッとお辞儀する京谷さん。それから及川さんを見遣って「フッ」と鼻で笑った。ズカズカとこっちに来たかと思うと、ガシッと脇腹を掴まれ、そのままヒョイっと持ち上げられた。
『うぇっ、京谷さんっ!?』
「軽いな」
そのままグルグル回される。んー、楽しいかもしれない。すると渡さんが「あのっ!」と叫んだ。
『はい?』
「その、あの、み、見えてます……///」
『何が、ですか?』
「っし、下着が、見えてます⁄⁄⁄」
『なっ……⁄⁄⁄』
その一言に、岩泉さんと金田一君を除く全員が一斉にバッ!としゃがんだ。慌ててスカートを押さえ、京谷さんに降ろすように頼む。
「チッ、見れねぇな。おい矢巾、写メ撮れ」
「っせぇ、わかってるよ!」
『矢巾さんやめてください!?』