Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第15章 鈍感少女の青春記録Ⅲ《青城》
それでもなお食い下がり、2人への説得を続ける及川さん。
「だから矢巾、あと渡も。京谷と少しでいいから会ったり、話したりできないかな?」
「「ムリです」」
「即答!?」
矢巾さんと渡さんがそんなに嫌がるなんて。京谷さんとはいったいどんな人なんだろう。そうこうしているうちに好奇心が募った私は、ハイッ!と挙手。
『あの、矢巾さんと渡さんがそんなにイヤなら、代わりに私が行くのはどうでしょうか!?』
目を瞬かせる面々。次の瞬間猛反対の嵐に合った。
「ダメダメダメダメ!星菜ちゃんは俺程じゃないけど超絶カワイイから、京谷に喰われるよ!?」
「危険極まりないな」
「その気持ち分かるわー」
「及川に岩、松川も保護者かっての-w」
「星菜が行くなら俺らだけで行くよ!?」
「絶対来ちゃだめだ!」
主に2,3年から猛反対。か弱いからとか、すぐ殺られるとか、逆にヤられる(!?)とか、好き勝手に言うみんなに、段々とムカムカしてきた。そしてとどめ、
「及川さんのキャプテン命令!星菜ちゃんは京谷に一切近付かないこと!」
これに怒りが爆発した。
『もうっ、いい加減にしてください!自分の身くらい自分で守れます!それにっ、京谷さんが戻ってきたらマネージャーとしても関わんないといけないじゃないですか!それが少し早くなっただけで、そんなに遠ざけようとしないでくださいっ!』
一息に言い切り、はぁはぁと荒い息をする。京谷さんが危険なのかどうなのかどうかを決めるのは、誰でもない私自身だ。なのに勝手な推測で会うな関わるなと言われれば、それは理不尽だ。
『もちろん、及川さんが言うのも、矢巾さんが言うのも、私のためだと分かってます。でも私のためを思うなら、それなら会わせてください』
3年生が引退したら、1,2年で部活を引っ張らなきゃいけない。それなら尚更、会っておかないと行けないんじゃないだろうか。
そんな私の思いが伝わったのか、及川さんが渋々といった様子で口を開いた。
「星菜ちゃんがそこまで言うと思わなかったなぁ。でも、分かった。会いに行ってもいいよ」
『ありがとうございます!』
「ただし!危険を感じたらすぐ逃げること」
完全に猛獣扱いじゃないか、とツッコみつつも、とりあえずは許可が降りたことに喜ぶ私なのであった。