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Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》

第14章 ★桜の季節∶花巻




式はあっという間に終わった。あたしは1滴も涙が出なかったけど、泣いてる子は何人もいた。

教室に戻ると、交流が始まった。アルバムに一言書いたり、snowで写真を撮りまくったり、黒板に寄せ書きしたり。最後くらい、とみんな弾けていた。

貴大はというと、窓の外を眺めていた。


『貴大っ』

「星菜か」

『あっち混ざんないの?』

「お前こそ」

『どっちかってぇと男子とつるむことのが多かったし?』


及川とか岩泉とか松川とか?と指折り数えると、全部バレー部じゃねぇか、と貴大は笑った。つられて笑っていると、クラスの女子に呼ばれた。また後で、と貴大に告げて、そっちの輪に混ざる。


「けっこー仲良いんじゃんか」


貴大が呟いたのは、聞こえなかった。





その後クラスは解散になった。寡黙で、どちらかというとコワモテの担任が男泣きしてたのにはビックリしたけど、みんな割とあっさりしていた。こんなもんなのかな、と内心どこかで思っていた。

そんなあたし、貴大に連れられてなぜかバレー部の部室へと向かっている。


『あたしって部外者じゃないの?』

「なわけ。試合の度に差し入れ作って持ってきた料理部はどこのどいつだ、コラ」

『あたしですー』


喋っている間に部室に到着。ドアを開けると、いずこの居酒屋みたいな風景が広がっていた。


「『うわぁ』」

「あ、マッキー!」

「クソ川乗んな!邪魔くせぇ!」

「金田一、チョコ取ってー」

「自分で取れよ!」

「矢巾スマホ変えたの?」

「はい!iPhone7です!」

『これぞ』

「カオスなり」


お菓子にジュースに卒業記念品が、そこら中に散らばっている。苦笑しつつ、貴大と部室に入った。そこからはもう、ただの宴会みたいなものだった。

端っこのベンチにちょこん、と座っていると、ジュースを持った及川がやって来た。


「はい、オレンジジュースでいい?」

『ありがとう、及川』

「ん。あ、髪かわいいねぇ!自分でやった?」


さら、と及川が髪に触れる。両サイドの毛を三つ編みにしてハーフアップのように後ろで結んだ髪。ちなみにやったのは、貴大である。


『んーん、貴大だよ。なんで?』

「いや、何も?」


愛されてるねぇ、と呟く及川。絶対何かあるだろ、と思いつつ、ジュースを飲むのだった。


 
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