Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第13章 ☆プロポーズ大作戦:岩泉
あっという間に1週間は過ぎ、作戦の決行日になった。LINEの4人のグループで、改めてお礼と今日プロポーズすることを告げる。直ぐ様3人から既読が付いた。応援メッセとスタンプに、思わず顔がほころんだ。
プランはこうだ。休日の今日、丸一日使ってデートをする。映画を観て、お昼をパンケーキショップで食べて、ショッピングして、夜は松川の教えてくれたレストラン。
帰りに少し海の近くをドライブして、そこで指輪を渡そうと思っている。
『ごめんねハジメくん、待った?』
「いや。それよか行こうぜ」
『うん、久し振りだね、デート』
「お、おう……///」
玄関で待っていると、コートを羽織った星菜が駆けてきた。茶色いファー付きの白いコート、中は紺のニットワンピ、黒のタイツは脚の長さを演出している。それにメイクも、綺麗で可愛くて、似合ってる。
ロングブーツを履き、部屋を出ると、それを待っていたかのように星菜は俺の腕に抱き付いてきた。くそ、可愛いな、おい。
『えへへ、嬉しい』
「ほら、行くぞ。映画始まっちまうだろ」
『うん!』
最寄りの駅に行く途中、カーステレオから流れるのは、星菜の好きなアーティストの曲。星菜がメロディーを口ずさむのに合わせ、俺も歌った。楽しい。
それから観た映画の内容は、あまり頭に入らなかった。大学生の恋愛もので、互いの住んでる時間が違うとかなんとか。とはいえ切ない終わり方で、最後は涙腺がヤバかった。隣の星菜はぐすぐすと泣いていた。
『うぅ~、あれ終わり悲しすぎるよぉ…』
「どうせならハッピーエンドだよなぁ」
映画館を出ても、星菜は泣きそうな顔をしていた。そして呟く。
『ハジメくんとあんな終わり方しちゃったら、私は耐えられないなぁ』
「ンなこと言うなよ。俺が絶対離さねぇ」
『……録音しときたかったなぁ』
「星菜って意外とちゃっかりしてんな」
『そうだよ?あれ、知らなかった?』
顔を見合わせて笑う。車に戻る時、どちらからともなく繋いだ手は、ずっと前からそうだったかのように、恋人繋ぎだった。