Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第13章 ☆プロポーズ大作戦:岩泉
家に帰ると、星菜が出迎えてくれた。
『ハジメくん、お帰りなさい』
「おう、ただいま。ごめんな、晩メシここんとこ家じゃなくて外食ばっかしててよ」
『ううん。ハジメくんにだって人付き合いもあるでしょ?私も同期の子と飲みに行くことだってあるし、お互い様じゃないの』
ね?と笑いながら、俺の手から鞄を受け取る星菜。コーヒー淹れるね、と台所に立った星菜を、後ろから抱きしめた。
首筋に顔を埋め、すんすんと匂いを嗅ぐ。フロ上がりか、温い。俺と同じ、ボディソープの香り。くすぐったいのか身を捩り、髪が揺れる。ふわっと、甘くて優しい花の匂い。
『どうしたの?何かあった?』
「いや、なんも。ただ……」
『ただ?』
「……好きだなって、思ってよ………///」
なんだこれ。自分で言っといてクソハズい。もごもごと口ごもっていると、やがて星菜が吹き出し、笑っていた。
『あはははっ、ハジメくんったら、面白い』
「お、俺は至って真面目になぁ……」
『ふふっ、だからだよ。ハジメくん、あんまり口に出さないでしょ?だから嬉しいの』
ありがとう、と笑って、星菜は俺に抱き付いてきた。柔らかな感触が、俺の欲を誘う。
「……ベッド行くか」
『う、ん……あ、でもお風呂は…』
「んなの待てっかよ」
ぐいっと上を向かせ、問答無用で口を塞ぐ。こんなことなら歯磨きしときゃよかったな。でもガム噛んだし大丈夫か。
角度を変えて、何度も唇に吸い付く。やがて星菜から声が漏れる。小さな喘ぎと共に開いたそこに、自分の舌を捩じ込んだ。甘い。
『っは、ぁ、はじめ、く……っん……///』
「えっろ……///」
とろけた星菜は色っぽくて、それでいてか弱くて、守りたい本能をくすぐられた。ひょいと横抱きにして寝室に向かう。ベッドに下ろし、再度キスをした。
その夜は、いつもより長かった。いや、長く感じただけかもしれない。俺と星菜のいる空間だけ、濃い時間だった。
いつもは言わない愛をたくさん囁いて。いつもは1回なのに何度も愛し合って。互いの声に、温度に、身体に、熱に。その全てが愛しくて、愛しくて、溺れていた。
嗚呼、堪らなく、好きだ。