Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第13章 ☆プロポーズ大作戦:岩泉
そしてその翌日。星菜には及川と飲んでから帰ると連絡を入れ、会社帰りに宝石店へ向かった。隣の及川のスキップがうざったい。
「お前なぁ…ガキかよ」
「えっへへ~。だって岩ちゃんの指輪、俺が選べるんだよ?それって最高じゃんか」
「へいへい」
軽くあしらって及川オススメのそこに入る。店内は明るく、いろんな所で宝石や金属が光を反射していて、すごく綺麗だった。
「岩ちゃん、デザインに希望ある?」
さっさと店員と話を進めている及川。隣に座ってカタログをぱらりとめくる。ハートのダイヤ。彫刻のあるもの。どれも綺麗だし良いと思うけど、今一つしっくり来ない。
もっとこう、星菜にぴったりの、何か。
探して、ふとページを捲る手が止まる。
キラキラと輝くそれは、透き通った、青。
「これ、綺麗だな」
「お客様、お目が高いですね。そちらはダイヤの中でも特に希少とされるブルーダイヤの指輪なんですよ。当店のオススメです」
にこりと笑う店員。もう一度ページに目を落とす。目を閉じて想うのは、星菜。
いつの日か、故郷の町から見える海が好きだと言った。空が好きだと言った。どこまでも広がる、無限の可能性があるからと。
だから海と空の青が好きなんだ、と。デートの帰り、星菜は満開の笑顔を見せた。
目を開いた時、もう俺の心は決まっていた。
「プロポーズなんですけど、これって…」
「よろしいと思いますよ。あとですね、少しお値段は高くなってしまいますが、ブルーダイヤと普通のダイヤを2つあしらったものもございます。こちらは2人の永遠の幸せを祈ったものになっておりますよ」
「わぁ、いいじゃん!これにしなよ!」
「そう、だな。俺もこれが良いと思う」
サイズを伝え、すぐに取り寄せてもらう。1週間かかるそうで、届いたら連絡してもらうよう頼み、店を出た。
「及川」
「なぁに、岩ちゃん」
「メシでも行くか」
「やっほーい!岩ちゃんの奢りね!」
「うっせ。割り勘だよバーカ」
ぶーぶー文句を言う及川を置いて、いつもの居酒屋に向かう。口元弛んでるぞ、と及川がどついてきたので、無言で拳骨をくれた。