Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第13章 ☆プロポーズ大作戦:岩泉
「ぶっちゃけ、岩ちゃんには勿体無いよ」
「それな~。俺も思う」
「整った顔してるし。可愛いよな」
「この前及川さん家に岩ちゃんと遊びに来たんだけどさぁ~、家に入ってすぐの言葉が、ハジメくんがお世話になってます、で」
「「岩泉が及川の世話してるけどな」」
「そこかいっ!?」
「本人前にしてよくそんなこと喋れるな」
こぼしたビールを拭きながら、半ば呆れて話に耳を澄ます。するとどんどん話がずれていって、なぜか結婚の話に。
「で、岩ちゃんはいつ結婚するのかな?」
「は?何で?」
「岩、お前ら付き合って何年よ」
「えーと、3年?」
「「「うわぁ、カワイソ……」」」
何が?と訊けば、及川がテーブルの向こうからぐわっと身を乗り出してきた。
「だって3年、3年だよ!一緒に暮らして仕事も落ち着いてきたなら、そろそろ考えるべきだよ!だって岩ちゃんもう26、来年で27だよ!?経済的にも余裕出てくる頃だしちゃんと将来のこと考えてあげないと星菜ちゃんが可哀想だよ!あと…」
及川のマシンガントークは止まらず、しかも言ってることは大体的を射ている。いつもなら黙らせるところだがそうもいかない。
及川の言葉からは、俺と星菜のことを考えているのがひしひしと伝わってきた。
「あ、岩あれだべ。ビビってんだろ」
「は?」
「まさか、岩ちゃん断られるの怖くて…」
うわぁと眉間にシワを寄せた及川を皮切りに、花巻と松川もうわぁと呟く。
「怖いんだな、そーかそーか」
「岩、隠さなくてもいいんだぜ?」
「岩ちゃん、正直に言おうね、ね?」
「違ぇっつってんだろーが!」
ターンッとジョッキを叩き付け、それからじろりと3人を眺める。そして、口を開いた。
「わかった。そこまで言うならやってやる」
「「「は?」」」
「プロポーズするっつってんだよ!」
「「「おおっ!!!」」」
完璧に酒に呑まれてて、しかもあいつらにいいようにされたんじゃないかと一度は疑った。だが星菜の為にも、将来について本気で考えるべきだと、そう思った。