Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第13章 ☆プロポーズ大作戦:岩泉
【岩泉 side】
ふと、目が覚めた。昨晩にコトを終えてそのままになっている寝室。体を起こそうとするも、何かにそれを遮られた。犯人は、隣ですやすや眠る彼女の腕だった。
『ん……は、じめ……やぁだぁ…ふふっ』
いったいどんな夢を見ているのか。時おり寝言を漏らすその表情は、幸せそうだ。
「起きるなよ……起きねぇよなぁ…?」
そろそろと腰に回る腕を外し、立ち上がる。げ、俺全裸じゃん。脱ぎっぱなしのトランクスをとりあえず穿き、普段使いのカバンからあるものを取り出した。
チャリ、と金属音が鳴る。幾つものリングの連なったそれは、指のサイズを測るもの。星菜に幾つか試し、第2関節をスルッと通るピッタリのものを探すと、すぐさまメモ。そして起きないうちにカバンへと戻す。
「っはぁ、緊張した……」
詰めていた息を吐く。後ろでもそりと星菜が動き、ビクッとする。硬直したままでいると、規則正しい寝息が聞こえてきて、ホッとする。心臓に、悪ぃな…
そしていったいなぜ、俺がこんなことをしているのか。話は、数日前へと遡る。
彼女、天草星菜に出会ったのは、大学生の時だった。東京の大学に進学し、偶然宮城出身の星菜に会った。2回生の時に告白、健全なお付き合いが続き、ハジメテは大学の卒業後だった。
そして互いの就職を期に同棲を始め、現在3年が経過した。喧嘩もするが仲良く、幸せな毎日を送っているわけだが。
「ねー岩ちゃん、星菜ちゃん元気?」
「ブフォッ!?」
俺はビールを盛大に吹いた。高校時代の同級生4人で集まり、仕事帰りに酒を飲むのは日常のこと。その日常のど真ん中に、及川は特大の爆弾を放ってみせたのだ。
「うっわ、岩きったね~-w」
「大丈夫かよ-w」
「ごほっ…松川、顔が笑ってンだよ」
「岩ちゃん!?大丈夫!?」
「誰のせいだ、っクソ川……げほっ」
「ねー語ろうよ。星菜ちゃんと、岩ちゃんのラブラブっぷりについてさ!」
「及川にしては珍しく名案」
「ちょ、マッキー!?」
「激しく同意-w」
「まっつん!?」
「お前ら、俺の意思はスルーかよ」
とまぁこんな具合に、(及川のせいで)俺と星菜に関する話が始まってしまった。