Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第12章 ★あなたの温度:菅原
そして現在、菅原さんのお部屋。白とブルー系の色でまとめられた部屋は整理整頓されていて、部屋主の性格を現していた。
菅原さんが本棚の一番したから引っ張り出してきたのは、卒業アルバム。ベッドに座りそれを開く。私の心はわくわくが止まらない。
だって、新しい一面を知れるかもしれない。
『どれが菅原さんですか?』
「孝支、な」
『こっ、孝支さんですか……///』
「ふはっ、赤くなってる」
『からかわないでくださいっ!』
「ごめんて。えーと俺はこれ。あとここも」
『わ、可愛い~!』
そこかしこに写る菅原さ…孝支さん。どれも明るく楽しそうな表情で。そして部活のページ、バレー部のところに孝支さんが写っているのに気付いた。
『これ、孝支さん?』
「そ。中3の最後の中体連の時かな~」
懐かしい、そうこぼす孝支さんの意識は、きっと思い出の向こう。何を思っているのだろう、と考えていると、不意に孝支さんがこっちを向いた。唐突に、思い出す。
今、私、孝支さんと2人きりなんだ。
「星菜」
『っひゃい!?』
緊張のあまり、舌を噛み声が裏返る。
「キス、していいかな……?」
『っは、はい……///』
ギシ、とベッドが軋む。孝支さんがゆっくりと近付いてきて、そっと目を閉じる。息を詰めていると、ふに、と唇に触れる熱。
ばくばくと、心臓が身体中を跳ね回ってるみたい。あれ、いつも息ってどうやって吸ってたっけ?それすらもできなくて、分からなくて、苦しい。なのに伝わる熱に溶かされてくよう。キスって、気持ちいい。
『ん…っふ……んっ……』
いつの間にか口の中に侵入していた孝支さんの舌。別の生き物のように蠢くそれ。動揺しながらも拒めず、与えられる知らない感覚にはただただ戸惑うばかり。
もうダメ。おかしくなる。そう思った私は、きゅっと孝支さんのジャージの裾を握り、空いてる方の手でその胸をそっと押す。
「っごめ、星菜……っ///」
『っふぁ、は、い……』
慌てて離れる孝支さんに途切れ途切れに答える。孝支さんの喉がごくり、と上下した。
「星菜、俺のこと、好き?」
『はい、大好き、です……』
ふにゃ、と笑ってみせる。孝支さんの目が妖しく光ったと思った刹那、どさり。私は孝支さんに押し倒されていた。