第2章 なんで私...?
赤葦Side
「オレ最強ーーーッ!ヘイヘイヘーイ!!」
相変わらず声がデカい…
もうすぐあの子が来る頃なのに…帰りそうにないなこの人たち。
「なあなあ!佐藤奈々ちゃん?可愛くね!?」
「それ!可愛いマネとか最高じゃんか!」
「赤葦よく連れてこれたな!」
あー…俺か…
「いえ、廊下でぶつかったので連れてきただけです。」
廊下で…ぶつかった。まあ正解だろうな
でも正確には
“ぶつかりに行った”ですけどね
「そうなの!?あんな可愛い子とぶつかるとか
赤葦うらやま!!」
羨ましい?ええ、そうでしょうね…
でも、あの子は渡さない。
「そうです?まあ奈々は可愛いですよね」
能面顔を貼り付けて今日も俺は———
奈々の前では取ろうかな
どんな顔をするだろう
どんな声で鳴くだろう
あの顔を歪ませてみたい
俺は本能の赴くまま…