第4章 本当の顔
赤葦Side
いま奈々を抱えて廊下を歩いている。
すごい軽い、折れてしまいそうだ。でも...
顔が近い...心臓の音が聞こえてないか不安で仕方ない。
真顔を貼り付けて歩いているが
今にも口角が緩んでしまいそうで...
『あの、京治さん...』
「ん?どうした?」
やばい、ちょっと声裏返ったか?
『もう、痺れ治まったので降ります』
「そう?じゃあ、気を付けてね」
ゆっくり奈々を降ろすと
コトっというローファーの音が小気味良い
『ありがとうございました...
木兎さんも、
すいません、荷物持っていただいて』
礼儀正しい、なんていい子なんだろう。
木「ハァ...ハァ、階段きっちぃー!
んぁ?俺?いいってことよ!!」
木兎さんも相変わらずだな。
「授業には間に合ったね、よかった。」
『本当ありがとうございます、ではまた放課後...』
「うん、またね。」
「まったな~!」
奈々が教室に入ったのを確認して
自分の教室へ向かう
「なぁ、あかーし~!
今日の練習メニューどうするー?」
「えーと、じゃあ...」
「あ!ケイジくんだぁ!」
返事をしようとすると途端、
甲高い声に遮られる