第5章 休
やっと屯所に着いたのはお昼過ぎだった。
私は自室に直行しようと廊下を歩いていると、
けんちゃんが焦った様子で私の方へ走ってきた。
田中
「今、退から連絡貰ってみわを捜しに行こうとしてたんだ!!
大丈夫か?怪我してんだろ!?」
みわ
「大丈夫です!わたし結構丈夫なんです(笑)
…それより、けんちゃん!!
どうして山崎さんを……?」
田中
「……退のやつ最近疲れてたから休ませてやりたかったんだよ。」
みわ
「それならかえってお一人の方が…」
田中
「駄目駄目!!退は仕事はできるんだが、
休むのが下手なんだよ。
1人で非番じゃサービス労働するからな(笑)
勘定方に報告すればかなりの額になるだろうよ(笑)
それでちょうど女中のカレンと話してたらみわも明日休みだって聞いてさ。これはちょうど良いってね。」
みわ
「と…言う事は、私のことだましたんですか?」
けんちゃんを見るといつも通りの隊服を着ているから、非番ではないという事実。
田中
「ごめん………」
みわ
「じゃあ、けんちゃんは非番じゃなくて………
す、凄いよ!!!けんちゃん!!」
私は興奮した。
田中
「は!?な、な、何が凄いんだよ??」
みわ
「凄く自然体だったから。
全然違和感無かったです!!!
けんちゃんカッコイイし、素敵だし
俳優さんでもおかしくないですよっ!」
田中
「え…///マジ!!?
それならみわの言葉信じて
転職すっかなぁー俺(笑)」
みわ
「……ふふっ。」
田中
「……あのさみわ。」
突然真面目な表情になる。
みわ
「はい。」
田中
「退の事、許してやってくれないか?」
みわ
「………?」
田中
「今…退にとっても俺達にとっても大切な時期……そのなんつうか…」
みわ
「大丈夫ですよ。
わたし、全然気にしてませんから…」
田中
「…そっか!それなら良かった!
…でも今度は………俺と一緒に出掛けような!!」
みわ
「はい!」