第39章 危機
1時間後…いつも通り穏やかな顔をしたみわちゃんがリビングにやってきた。
みわ
「お帰りなさい退さん…」
いつもと変わらず優しい声でお帰りを言うみわちゃん
山崎
「……」
みわ
「………ん?あれ??けんちゃん帰っちゃったんですか?」
俺が無理矢理帰らせた田中を気にしている。
山崎
「………帰した…から。」
みわ
「そうですか……」
山崎
「みわお前さ!!」
"バシッ!!"
色々な感情が溢れだし、
みわちゃんの白くて柔らかい頬を叩いた。
みわ
「!!」
今まで可愛くて可愛くて仕方がなかった存在が、
今は憎くて憎くて仕方がない
山崎
「俺が仕事で帰りが遅かったり……帰れない日はこうやって田中と過ごしてたの!??
噂で田中かが恋狂いをしてるとは聞いていたけど…
でもそれは一方的な感情であって…みわまでそんな……」
みわ
「退さん!違う…誤解して……」
俺に近寄ってくるみわちゃん。
右頬が真っ赤になっている。
山崎
「誤解ってなんだよ!!!」
みわ
「あのね!もう日付け変わっちゃたけど……」
山崎
「みわちゃんにはほんと……」
みわ
「……」
山崎
「幻滅した…」
みわ
「え…」
山崎
「分かんないかな………蛙の子は蛙だって言ってんの!!!」
俺は性格が悪いみわの母親の事を思い出してつい言ってしまった。
山崎
「……反論しないって事は自分でも認めてるって事だよね?」
みわ
「……」
山崎
「なに黙ってんのさ!!なんとか言ったらどうなんだよ!!」
黙ったままのみわに怒りしか湧いて来ない。
その行為が俺の感情を逆なでする。