第3章 変
数台の洗濯機を稼働させると、
近所のクリーニング屋へ幹部さん達のシャツを取りに向かった。
(久しぶりの外出だなぁ〜)
真選組の屯所正面の門まで来ると、
ちょうど数名の隊士さんを連れた伊東さんと鉢合わせしてしまった。
私はあまり伊東さんを知らないから
軽く頭だけ下げ門を潜ろうとしたその時…
伊東
「おい、キミ。」
呼び止められてしまった。
みわ
「…わたし?…でしょうか……」
伊東
「キミ以外誰がいるんだ?」
一応、キョロキョロして周りを確認してみる。
みわ
「……ですよね……」
伊東
「昨日、
小川という女中にワイシャツのクリーニングを頼んだのだが
いつ受け取れるか聞くのを忘れていてね…」
みわ
「あ…それでしたら、
もう仕上がっていると思いますので後程…」
!!?
と言いかけた瞬間!私の耳元にグイっと口を近付けてきた伊東さん。
【今夜は予定が無くて暇なんだ…届けにきてくれるね?】
みわ
「(´⊙ω⊙`)」
伊東
「ふっ…キミのこの甘い香り…嫌いじゃない」
それだけ言うと、
屯所の方へ歩いて行った。
(……夜にお届け物!???…)
みわ
「……………」
(なんか嫌な予感しかしないんですけど!?)
ピリリリリッ…ピリリリリッ……
タイミングを見計らったかのように突然ケータイが鳴る
(ん?………あ、山崎さんからだ。
朝でも夕刻でもないのにどうしたのかな?)
みわ
「もしもし…?」
tell
「………」
みわ
「………もしもし?」
(朝と同じで電話の向こうは無言…間違えたのかな?)
みわ
「…………切りますね……」
私はそっとケータイを切る
(きっと間違えてかけてきたんだろうな…)
いろいろなアクシデントがおきたけど、
ようやく屯所を出て近所のクリーニング屋さんへ歩き始めた。